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衛生管理は徹底

常に沢山の料理を運ぶ

料理人の職場は調理場です。もちろん、ゴミ捨て場も同様です。
衛生管理には、人一倍気を使っています。
なぜ徹底しているかというと、徹底しないと保健所の指導が入り、店がつぶれるからです。
非常にチェックが厳しく、保健所に怒られるのは料理長ですので、
私たち下っ端も、必死になって衛生管理をします。

衛生管理は、頭と体の両方をフル回転する必要があります。
調理の際の手袋やまな板の洗浄、包丁やその他器具の加熱処理による滅菌など、
食中毒が出ないよう、細心の注意を払います。
ごみ捨てをする新人は、絶対に厨房に入れないのが私の店の特徴です。料理の世界は甘くないですよ。

衛生管理といえば、最も分かりやすいのがコンピューターのICチップを製造している工場です。
ここでは、工員に対して、厳重な衛生管理の徹底がされています。
宇宙服みたいな全身防備の服装は、ホコリの類を一切寄せ付けないことの意思表示だと思います。

料理の世界でも、常に沢山の料理を運ぶため、相当気を使うことがしばしばあります。
万が一厨房に虫か入って来ようものなら、総出で駆除に回ります。
万が一の事態にも対処できてこそ、一流の料理人なのです。

見た目をそのまま信用してはいけない

さて、私の場合は、衛生に関してあまり自覚がありませんでした。
自覚が身についてきたのは最近のことで、それまで暑い日に腕まくりをしていたのをやめ、
服のすそにほこりがついていたら外で払うなど、最低限の対策をするようになりました。

普段からきれいな花を見ておけば、キレイという概念をすぐに理解できます。
キレイな人は、どこか美しさが漂いますし、見た目のきれいさではわからない、
ゾッとするような美しさを兼ね備えているものです。
しかし、たいていの場合は毒やトゲがありますので、
見た目をそのまま信用してはいけません。キレイなバラには、棘があるのです。

料理においてキレイとは、時に盛り付けの事を指します。
いい盛り付けは、料理人に対する評価を高めます。
いつの日か私も盛り付けのプロになって、パティシエ顔負けの凄腕料理人になってみたいです。

皿洗いでも皿のふちまで注意を払い、丁寧に洗うようにしていますし、
床やテーブル、椅子の清掃でも、隅々まで磨きをかけています。
少しでもお客様に喜んで頂くために、ほこり一つ残さないよう、とても気をつけています。

そこまでやっても先輩からは「まだ甘い」といわれます。
具体的にどこがどう甘いのかは指摘してくれませんので、隅々まで見渡すだけでなく、
店を設計した建築士の気持ちに立って、ほこりがたまりやすい場所をイメージすることで、
目の前のホコリをきちんと掃除しています。

お客様の視線も大事です。
日本人は、アイコンタクトで意志を伝えるのが得意ですので、
お客様の視線から、どこに問題があるのかを推測して、直ちに対処することが大切です。
料理は体で覚える物ですので、真心をこめて皿洗いをすることで、
少しでもお客様が喜んでくれればいいと思います。