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雑用だって立派な仕事

衛生面の教育

料理人の世界では、雑用は普通人間扱いされないそうです。
私の職場は、素人や見習いに手厚い職場でしたので、
一昔前の「非人道的な扱い」は一切されませんでした。

料理場もきれいで広く、最新の器具を使っているところなので、
厨房に入らなくても、雑用がこなせます。
というか、そもそも見習いが厨房に出入りすることはめったに無いんですけどね。

入って初日に教わったのが、残飯の処理方法です。
きちんとビニールの口を縛って捨てるのですが、カラスなどに突かれないように、
袋を2重にして捨てる必要があるなど、衛生面の教育をミッチリと仕込まれました。

迅速に仕事をこなせる

慣れてくると、今度は皿洗いや床ふきなどです。
少しでも汚れが残らず、かつ完璧に皿洗いをするためには、
食器洗い洗浄器の気持ちになって考えることが大切です。

ちょっとでも汚れが残っていると、最初からやり直しですし、
割れば弁償です。あまりにトロいんで、洗い場から追い出されたこともあります。
どうして雑用が大切かというと、以下のリンクに詳しく書かれています。

参考:見習い期間に雑用は大切?

内容を要約すると、「料理人の基礎は雑用を真面目にこなせる忍耐力が必要で、
お店側はなるべく新人に雑用をやらせたい。
そして、教える方も時間がかかるので、なるべく飲み込みの良い人間に来て欲しい」ということです。
私は体で覚えるのは得意ですが、丁寧さに欠ける面がありました。皿洗いを通してその弱点に気付き、
少しでも丁寧に、かつ迅速に仕事をこなせるようになろうと、決意を新たにしました。

雑用を立派にこなすためには、雑用の専門係になるべきです。
雑用の専門係といっても、それほど聞こえがいいものではありません。
要は、どんな雑用も瞬時にこなす雑用のプロになればよいのです。
人間ではなく、ロボットのように正確無比な動きをして、
時間内に正確にすべての作業を終わらせることができるようになれば、きっとその人は高い評価を受けることでしょう。

雑用は、目標の設定と、その目標を達成するまでの速度を自分の頭で計測しておき、
何度も同じことを繰り返すのです。
何度も何度も同じ作業を繰り返せば、必然ミスは減りますし、
あなたに対する評価も上がるでしょう。継続は力なりということです。

物事には手順がありますが、雑用はその手順に則った、
もっとも手軽で気軽な行為であり、最もリスクが低い仕事でもあります。
けれど、その雑用さえ満足に出来ないやつは、上のステップへと進めないのです。
いい学校を出ることも大事ですが、それ以上に社会を知るということはとても大事だと思います。

学生の頃、私は良く庭の草むしりをしていました。
あまり気分のいい物ではありませんでしたが、あの時の土いじりが今でも経験として活きていると思います。
昔書いていた日記帳を取り出して読んでみると、自分がとても苦労を積んでいて、
その苦労が実になっていることが分かりました。
ここまで育ててくれた親や先生、職場の皆さんには、本当に頭が下がります。

最近は、先輩の料理の仕込みを鼻でかいで盗むようにしています。
先輩は大変気難しい人ですので、上手にごまかす必要がありますが、
その代わり、質問にはちゃんと答えてくれますので、とても立派な方だと思います。